設計者紹介：WEST/井上 誠一 "West Course" Designed by Seiichi Inoue
1908～1981年
いのうえ せいいち
1908年（明治41年）東京赤坂の名門眼科医の長男として生まれる。成蹊学園で医者を目指すも、嗜眠性脳炎を患い、川奈にて療養。1930年（昭和5年）東京・朝霞や廣野GC設計に招かれた英国人コース設計家、チャールス・H・アリソンが川奈・富士の改造計画中で、その仕事ぶりに影響を受け、設計家を目指す。霞が関・西コースの造成現場で藤田欽哉の助手として働く。
その後、単独で久里浜、日立（ともに戦前に閉鎖）、那須を設計。戦前から一流設計家の評判を得る。
大戦後、コース設計の専門家のいない時代に、独学でレイアウト術、植物学、土壌学を学び、世界レベルの一級品コースを量産して、「関東の井上誠一、関西の上田治」と並び称される。その後、国内42、海外2コースに及ぶ。
1962年（昭和37年）52歳になって初めて英米の名門コースを視察するが、基本的には自分の設計術が間違っていなかったことを確認する。
1981年（昭和56年）熱海にて逝去、73歳。
ゴルフは霞ケ関CCに入会し、ハンディ7までになった。
主な設計コースに、大洗、日光、西宮、愛知（東山）、龍ヶ崎、札幌、茨木（西）、大利根、戸塚（西）、東京よみうり、天城高原、南山などがある。
設計者紹介：EAST/間野 貞吉 "East Course" Designed by Sadakichi Mano
1903～1979年
まの さだきち
1903年（明治36年）神戸生まれ。神戸一中、六高を経て東京帝国大（現東大）工学部建築学科卒。復興建築助成会社から1941年（昭和16年）㈱日立製作所営繕課に勤務。戦後、大林組設計部に入り、コース設計に従事。1962年（昭和37年）定年後はフリーの設計家として活動。真面目な篤学の士で、学生時代からサッカー、テニス、ボート、野球、剣道のスポーツ万能選手で、日立時代には野球の名三塁手で知られた。
ゴルフは1932年（昭和7年）から相模CCのメンバーとして活躍、1961年（昭和36年）にはハンディ8までになった。1962年（昭和37年）にはゴルフ場クラブハウスの建築設計の論文で、東大より工学博士の学位を取得した。
1979年（昭和54年）76歳で逝去。
主な設計コースに、小山、熊谷、倉敷、札幌国際、総成、新沼津、マクレガーCCなどがある。
西コースWest Course
西コースは全長7261ヤード、「ペンA-1（7261ヤード）」と「ペンクロス（6944ヤード）」から成るA・P両グリーンを持つ、井上誠一氏設計のチャンピオンコースです。井上誠一氏はアリソンバンカーで知られるチャールス・H・アリソンに影響を受けてゴルフコースの設計を始め、関わったコースは44コースを数えます。井上氏の設計思想は高度な戦略性と華麗な造形美にあるといわれていますが、華麗な造形美は女性のふくよかな身体のラインが基本にあったとされ、氏の残したスケッチブックには女性の姿を抽象的に描いた数多くのデッサンが残されています。
戸塚カントリー倶楽部西コースは、宮里藍選手が優勝を飾った2005年度の「日本女子オープン競技」の開催コースでもありますが、東南の雄大な緩傾斜面につくられ、自生の松や桜など2万本の樹木に囲まれ、気品あるアンジュレーションに仕上げられています。特にアウト・インのスタートホールからは富士山が遠望でき、難易度は高いものの、ナイスショットにはプレーヤーを優しく迎えてくれる寛容さも持ったコースです。 グリーンは前述した２グリーン制で、パッティングクォリティの微妙な違いを味わって頂けます。往年の名ゴルファー、ゲーリー・プレーヤーが来場した折、「戸塚CCのグリーンは世界一だ」と評価したように、常にベストな状態で仕上げ、皆様のご来場をお待ちしております。
東コースEast Course
東コースは間野貞吉氏設計により、昭和３６年に完成し、西コースより１年早くオープンしました。もともとの地形は鎌倉街道が谷間を縫うように走る、相模の国と武蔵の国の分水嶺であった所で、入り組んだ地形でした。それでも現在の東コースのある川上地区は、比較的尾根も低くもとの地形を残したコース造りができ、その後の機械力による強引なコース造りとは、一味違う手造りの温もりが感じられるコースとなっています。
従来東コースは西コースに比べ、距離が短く、簡単に攻略できるコースと思われがちでしたが、平成１４年に電磁誘導カートが東コースに導入され、それまではシニア、レディス向けと、敬遠していたゴルファーも多く利用されるようになり、改めて東コースの良さを実感しての、高評価をいただいております。特に近年、飛ばした者が勝ちのような、大味のコースが見受けられるため、東コースのような戦略的コースの良さが、再認識されています。 当倶楽部としても、ゴルフ場を取りまく環境問題などの時代の流れ、ゴルファーのニーズ等を勘案しつつ、東コースの良さを残しながら、コースのグレードアップを模索しております。
そして平成１９年より東コースの大幅リニューアルに踏み切り、２グリーンから１グリーンへの大改造を完成させました。バックティーの新設、改造を行い6,730ヤード程度まで伸長し、同時にフロントティーも新設、改造を行い、幅広いプレーヤーのニーズを満足させるコースに仕上がりました。さらに平成23年の初めにはバックティーの新設、改造を行い6,749ヤードに延伸し、西コースとはテイストの異なるプレーをエンジョイでき、何度でもラウンドしたくなるようなコースとなりました。グレードアップした新しい東コースのプレーを、是非お楽しみくださるよう、お待ち申し上げます。
